2016年10月30日日曜日

ニコニコのHTML5版(β)を見て、特にコメント表示のことなど。

ニコニコもようやく脱Flashへ向かうようで、先週HTML5版の視聴ページが公開されました。

「動画視聴ページ HTML5版(β)」提供開始のお知らせ - ニコニコインフォ

まだ対象は一部のユーザーに限られているようですが、幸い自分は切り替えられたので見てみました。
下図はプレーヤーのサイズを標準(中画面)にしたところです。


HTML5版の方が若干小さく見えますが、動画の表示領域は同じ(640×360) でした。HTML5版は黒枠が無くなった分、コメントの表示領域が少し減っています。
下図は大画面にしたところです。


Flash版に比べてかなり大きくなります。デスクトップPCだと従来の大画面は小さく感じて拡大して使っていたので、これはありがたいと思いました。
下図はフルスクリーンにしたところです。


どのサイズにしろ、動画を開くのが軽くなり快適に感じました。

まだベータ版だからか、設定は下図の項目しかありませんでした。


またコメントパネルで過去ログを表示しようとしたところ、日時指定がプルダウンでスマホアプリのようなUIになっていました。


さてコメントの表示ですが、標準サイズで見るとHTML5版の方がくっきり見えます。


文字に黒い縁取りがあるからです。実際に見るとわかるのですが、HTML5版のコメントはFlash版のような立体感がありません。そのため縁取りをしているのかなと思いました。
フルスクリーンで見るとけっこう違和感がありました。


文字のサイズもFlash版より大きくなっています。これは改良していただきたいです。

改行のコメントもできるのですが、従来のCtrl+「.」やAlt+「1」「0」といったコマンドは効きませんでした。
その代わり、あらかじめテキストエディタ上で改行を入れたコメントをコピペすることができました。コマンドを知らなくてもかんたんに改行できるようになるのは、いいことだと思いました。
下図はbig16行のコメントを複数重ねたところです。


少なくともこのケースで見る限り、HTML5版でも同じように表示されるみたいでした。

Flash版と決定的に異なるのは、CJKフォント変化が発生しないことです。


一方で、フォントを指定する新たなコマンドが追加されています。

[動画]プレイヤー(HTML5版) - ニコニコヘルプ

下図はWindows 10上のMS Edgeで、新コマンドgothic・minchoを試したところです。
※Flash版では、このコマンドの効果は反映されません。


字形からの推測ですが、gothicは游ゴシック・minchoは游明朝ではないかと思います。
Chromeだとminchoの字形が少し違いました。


これも推測ですが、同じ游明朝のDemiboldというやつに見えました。

それにしても游ゴシックや游明朝?(7や8.1にはないのでは)と思い、7でも見てみました。


gothicはGulim・minchoはSimSunのように見えます。これはChromeでも同じでした。

従来のフォント変化でおなじみのGulim・SimSunが表示されるということは、開発側としてはこちらが意図した挙動なのかもしれません。しかし日本語版Windows 10に、Gulimは標準ではインストールされていません。SimSunはインストールされていますが、これも表示されていません。今後この10と7の違いがどうなるのか、気になるところです。

いずれにしても、フォントを明示的に指定できるようになるのは画期的だと思いました。
特定の記号によって意図しないフォント変化が起きることもなくなります。またOSのバージョンやブラウザの違いによるコメント表示の差異も、これでなくなっていくことを期待したいです。

2016年6月5日日曜日

Chrome 51:SimSun化に対して特殊な文字

前回の話の続きですが、その前にSimSun化とは別のフォント変化を見つけました。

以前、Chrome上の半角カナの表示においてカギカッコなどの記号類だけArial Unidode MSで表示されているという話を書きました。今は仕様が変わっているようですが、半角の記号類が特殊であることは変わらないようです。
下図の半角カタカナのコメント表示は、Arial Unidode MSの有無に関係ありません。フォントはメイリオだろうと思われます。


これに半角のカギカッコを追加してみると、先頭の半角カナのフォントが変わります。その字形はArial Unidode MSの有無によって異なります。


半角カギカッコによるフォントへの影響はSimSun化のそれと同じように見えます。
下図はカギカッコとカタカナの位置を入れ替えた場合の字形の違いを示しています。


2016/7/21追記:
以下の現象はChrome 52では起こらなくなったようです。

半角カギカッコの効果は全角文字に対しても同じでした。



半角カギカッコの直後の文字は、Arial Unidode MSがあればArial Unidode MS、なければMS Pゴシックではないかと思います。

SimSun化の話に戻ります。
前回SimSun化文字の直後の文字しか変化しないと書きましたが、半角カギカッコが間に入るとそうではありませんでした。


この状態は半角カギカッコがいくつあっても同じでした。

これとは別に、似たような挙動をとる文字がありました。全角の長音記号です。


SimSun化文字の直後でなくても、長音記号が連続する限りSimSun化が続きます。
また、連続する長音記号の中でなら何文字めでも「あ」がSimSun化します。


ただしこの効果は漢字だと発生しないようでした。


また、ひらがなであっても2文字めがあるとそこでメイリオに戻されるようです。


たまたま長音記号で気づきましたが、実は全角のカギカッコでも同じでした。どういう理屈なのか、これらの記号類はかな文字とは区別されているようです。
なお、この挙動は冒頭の半角カギカッコによるフォント変化の中でも同様でした。

2016年5月29日日曜日

Chrome 51:SimSun化の発生

2016/7/21追記:
下記の現象はChrome 52では起こらなくなったようです。

Chrome 51からかどうかわからないのですが、先日の日本語フォントが変わった件をちょっと調べていたらSimSun化が起きることに気づきました。


U+2FF0がどこから出てきたかですが、SimSun・メイリオ・Arial Unicode MSそれぞれのCMAPを比較してSimSunにだけあるものを抽出しました。と言っても同じ条件の文字すべてでこの現象が起きるわけではなく、今のところU+2FF0~U+2FFBでしか確認していません。

このSimSun化の特徴は、フォント変化文字U+2FF0の後にある1文字めしか変化しないことです。


また、U+2FF0をコメントの先頭以外の場所に置いても何も起こりません。
これは先の49から起きるようになったフォント変化の特徴と一致しています。ひょっとすると、49の時点でこのような挙動になっていたのかもしれません。

ただしU+2FF0の前で「リセット」する操作を行えば、何文字めでもSimSun化を起こせることがわかりました。下図の「↓」の部分にはU+200Cを挟んであります。


Arialで表示される文字を置けばこうなるようです。
改行を入れた場合も同様でした。


なお、下図はIEでの表示と比較したところです。IEだとこの文字の組み合わせではSimSun化は起きません。


SimSun化文字を置いてやれば、ChromeとIEの表示はほぼ同じになります。


Chromeのこのような挙動を見ることになるとは思っていませんでした。仕様は変わっていくものですね。

2016年5月26日木曜日

Chrome 51:日本語フォントの変更

今朝Chromeを51に上げたところ、ニコニコのコメントで日本語フォントが変わっているのに気づきました。


字形から、メイリオだろうと思われます。Chrome 21でフォント変化が起きなくなって以来の衝撃でした。
とは言え、いずれこうなるのではとはだいぶ以前から考えていました。前バージョンでXPのサポートを打ち切ったことで、MS Pゴシックという古いフォントの使用をやめたのではないでしょうか。

問題は文字幅です。漢字は一見同じ幅のように見えましたが、複数並べるとIEの表示よりChromeの方が少し狭いようです。


一方、かな文字の幅は明らかにChromeの方が広くなっています。


歌詞字幕などで、文字幅に依存するようなコメントだと影響がありそうです。

今のところMS Pゴシックがメイリオに変わったという以外、違いには気づきません。記号類など時間があったら調べてみたいです。


それにしても、メイリオの太字だと同じコメントでもなんか濃く見えます。スマホでの表示っぽい。

2016年3月6日日曜日

Chrome 49:フォント変化の発生

先週リリースされたChrome 49を使っていたところ、ニコニコのコメントの一部でフォントが変わっているのに気づきました。


しかしよく見ると、フォントが変わるのは特定の文字に隣接した場合であることがわかりました。上の例で言うとU+2581です。


この例の場合U+2584とU+2588はArial・他はLucida Sans Unicodeだと思いますが、U+2581だけはLucidaにもありません。MS Officeの入った環境ならArial Unicode MS、入っていなければMS Pゴシックだろうと思います。Arial Unicode MSがないと下図のような表示になりました。


特定の文字と隣接すると変わるというのは、まるでIEのようなフォント変化です。


ただしU+2581を先頭以外の場所に移動させると何も起きませんでした。

U+2581と同じ現象を発生させる文字は他にもありました。しかし一見同じ条件に見えても何も起きない文字もあり、法則性は不明でした。


字形の違いがはっきりわかる例:


以上の例ではLucida Sans UnicodeがArial Unicode MSに変化したのではないかと思われますが、他のパターンもありました。下図のケースはSegoe UI SymbolがMS Pゴシックに変化しているように思います。


この例ではArial Unicode MSの有無は関係ありません。
字形の違いがはっきりわかる例:


またSegoe UI SymbolがArial Unicode MSに変化したと思われるケースもありました。この例ではArial Unicode MSの有無で結果が異なります。


他にも、Lucida Sans UnicodeがMS Pゴシックに変化したと思われる例:


Arial Unicode MSがMS Pゴシックに変化したと思われる例:


などに気づきました。まだあるのかもしれません。

Chrome 21以降、PepperFlashでこのような現象は見たことがありませんでした。
一時的なバグなのか仕様の変更なのか、気になるところです。

2016年1月11日月曜日

64bit版Firefox×Cyberfox×Waterfox:ブラウザベンチマークで比較してみた。

64bit版Firefoxが正式にリリースされて以降、CyberfoxもWaterfoxも使わなくなっていました。
しかし公式とこれらとの間に性能の差があるものかふと気になり、ベンチマークテストで比較してみることにしました。

こちらの記事で紹介されていたベンチマークを使わせていただきました:

Windows10の新ブラウザ「Edge」を他ブラウザとベンチマーク比較したグラフ - GIGAZINE

各ブラウザごとにそれぞれのテストを3回ずつ行い、平均値を取りました。
OSはメインで使用しているWindows 10の64bit版、試したブラウザは以下のいずれも64bit版です。
参考のためPale Moon・Chrome・Microsoft Edgeでもやってみました。

・Firefox 43.0.4   
・Cyberfox 43.0.4   
・Waterfox 43.0.1   
・Pale Moon 25.8.1 ※Firefox 31.9(31.8?)
・Chrome 47.0.2526.106   
・Microsoft Edge 25.10586.0.0   

Pale Moonのバージョン番号は独自のもので、ベースはFirefox 31でした。31.9というバージョンは実際にはありません。旧バージョンに対する警告を回避するため、内部的にこの番号にしてあるようです。
なお公平にテストするというより自分の環境でどうなのか知りたかったので、アドオンやコンフィグはいつものままで実行しました。Firefox系はすべて同じプロファイルを参照するようにしてあります(このためPale Moonでは一部のアドオンが無効になりました)。

SunSpider 1.0.2


元記事と同様、Microsoft Edgeが圧倒的でした。それに比べるとFirefox系の中での差は小さいものです。Pale Moonが公式に若干勝っています。

Octane 2.0


こちらも元記事と同様、Microsoft Edgeが抜きん出ています。Firefox系はPale Moon以外それほど差がありません。

kraken-1.1


Pale Moon以外では大した差がありませんでした。

WebXPRT 2015


スコアが元記事とだいぶ違いますが、2013からバージョンが上がって内容が変わったのかもしれません。また元記事とは異なり、ここでもMicrosoft Edgeがトップでした。
相変わらずPale Moon以外のFirefox系に差はありません。

Oort Online


理由はわかりませんが、Firefox・Cyberfox・Waterfoxで明らかに差が出ました。
と言っても、いずれもChrome・Microsoft Edgeに負けています。これも元記事とは異なる結果です。

意外にもPale MoonがChrome・Edgeに並んでいました。元記事の中ではFirefoxだと白い線がチラチラ表示されてしまう問題が指摘されていますが、Pale Moonではこれが見られませんでした。

Firefox 43.0.4

Pale Moon 25.8.1


HTML5Test


こちらはそれほど差がありません。WaterfoxがFirefox・Cyberfoxより少しいいのがちょっと気になりました。

Firefox系を比較するのが目的でしたが、Edgeすごいなという結果になってしまいました。今のところWindows 10ユーザーには不人気と言われているようですが、今後拡張機能が利用できるようになれば状況が変わってくるかもしれません。

Pale Moonは久しぶりに使いました。数字に関係なく、やはり軽いのがさすがだなと感じました。ただし公式に準じたセキュリティ修正が行われているとは言え、サポートが終了したバージョンがベースです。旧UIが好きならサブで使うのにはいいかもしれません。

見ての通り、タイトルの3ブラウザについては結局どれと言うほどの違いが見られませんでした。
Waterfoxはさんざんお世話になったものの更新が不安定なのがネックで、公式が64bit版を出した今ではメインにしづらいのが正直なところです。今回の43も41・42を飛ばしてのリリースでした。
素直に公式を使うか、UIのカスタマイズ機能を組み込んだCyberfoxを(手動更新が面倒でも)使うか、好みの問題かなと思いました。

参考までに、よくベンチマーク代わりにさせていただいてる好きな動画です:

【MMD艦これ】ヲ級で『KiLLER LADY』【モーション配布】 - ニコニコ動画:GINZA

この動画がフルスクリーンでもほぼカクつかないのは、自分の環境ではChromeだけです。Firefoxでもそうなることを期待しています。