2014年12月26日金曜日

追加漢字面でのフォント変化

IE上では拡張領域の文字でもコメントのフォント変化が起きるのですが、BMPの文字とは挙動が異なるようです。下図は追加漢字面にあるU+20DE1を投稿したところです。


デフォルトはSimSun-ExtBというSimSunの拡張フォントだと思われます(SimSunにはBMPの文字しか収録されていません)。SimSun化文字なのかと思いきや、下段の通り後ろにゴシックの文字を隣接させただけでゴシックに変化しています。


BMPの文字では見られない変化の仕方です。
ちなみにSimSun化させたコメントの中に置いた場合、デフォルトの方の字形のままです。ただし少し縮んでいるように見えます。


代替表示で呼び出されてサイズを調整されたような感じです。下の重ねた図はpurpleの方がU+20DE1を単独で投稿した場合です。


下図は各フォント変化をさせたコメントの中に置いてみたところです。
この文字はGulimにはありません。MingLiU(PMingLiU)はSimSunと同様、ExtBという拡張フォントに収録されています。


「あ」の字形から各フォント変化が有効であることはわかります。
MingLiU化ではExtBの字形が表示されているようです。右下の部分のSimSunとの違いが特徴的です。


Gulim化ではなぜかSimSunと同じ字形が表示されています。「なぜか」というのは、BMPの漢字であればフォントリンクによりMS UI Gothicが代替表示されるからです。


下図の漢字は妹(U+59B9)に似ていますが、妺(I+59BA)というまた別の文字です。これは4つのCJKフォントの中でGulimにだけありません。


Gulim化の場合、MS UI Gothicが代替表示されていると考えられます。字形はデフォルトのMS Pゴシックと同じです。

U+20DE1はMS UI Gothicにもあります。SimSun-ExtBが表示されるということはフォントリンクは機能しないみたいです。 そもそも冒頭の時点でBMPの文字とは全く違うルールがあるようでしたが。

2014年12月14日日曜日

Excel 2013:ActiveXコントロールが認識されなくなった件

今月のOfficeのセキュリティ更新後にActiveXコントロールが認識されなくなった件です。

本日実施した Windows Update 後から Excel 2010 の VBA が動作しなくなった - マイクロソフト コミュニティ

今のところ2010では直接確認していないのですが、2013・2007では同様のケースを確認できました。
下図は2013でシート上に配置したコマンドボタンです。


別のPCでこのシートを開いてコマンドボタンをクリックしたところ、2010(セキュリティ更新済み)では問題ありませんでした。一方、2013では下図のようになりました。デザインモードになっているわけではありません。


カーソルの形が変わるだけで押し下げすることはできません。CommandButton1_Clickプロシージャも実行されません。

下図は元のPC、別のPCそれぞれでデザインモードにしてみたところです。別のPCの方ではプロパティウィンドウにCommandButton1が表示されません。

シートを作成した元のPC
 
別のPC
当然ながらコードからCommandButton1を参照すればエラーになります。また、この状態から新たにActiveXコントロールを挿入しようとしてもエラーになりました。


なお図の通り元のPCは8.1、別のPCは7でした。Windowsのバージョンの違いが関係あるのかはわかりません。

この不具合を起こしているセキュリティ更新は特定されており、アンイストールすれば解決すると言われています。しかしセキュリティ更新なので削除はやめた方がいいように思います。
もう一つの回避策として冒頭のリンク先でも紹介されている、MSForms.exdを削除する方法を試してみました。


このファイルは、削除してもActiveXコントロールを含むシートを開けば自動的に再作成されます。

ところがこれだけでは解決しませんでした。それどころか2013で再作成されたMSForms.exdだと、同じPC上でなんともなかった2010でも同様の不具合が発生するようになりました。
うっかりしてたのですが、2013はWindows Updateとは別に更新が行われます。確認したところ元のPCも別のPCも最新のバージョンになっていませんでした。手動で更新を実行しました。


更新後、再度MSForms.exdを削除・再作成したところ不具合は起きなくなりました。
逆に、元のPCで不具合が発生するようになりました。こちらもMSForms.exdを削除・再作成したら直りました。要は更新前のバージョンで作成されたMSForms.exdが問題を起こすということでしょうか。

公式でもこの問題は認識されていて、対応中のようです。

Office 2010 ActiveX Disabled - December Update KB2553154 - TechNet Blogs

早く修正パッチが出るといいんですが。

2014年11月17日月曜日

Chrome 38:囲み文字のグリフ置換

追加多言語面U+10000~U+1FFFFには、ニコニコのコメントで使いたくなるような絵文字や飾り文字がたくさんあります。しかし今のところ、Windows 8.1上のIEまたはFirefoxでSegoe UI Symbolかゴシックにある文字が表示できるだけのようです。
ChromeのPepperFlashはSegoe UI Symbolを表示しません(たぶん)。またWindows 7はIEでもSegoe UI Symbolを表示せず、7のゴシックはこの領域にグリフを持っていません。

ただ一部の文字について、Chrome上でおもしろい挙動が起きるのに気づきました。
下図は8.1のSegoe UI Symbolだけにある文字です。Chromeでは豆腐になります。


これに、以前「Lucida化」の話で使ったU+2501(というかLucida Sans Unicode)とU+0323を隣接させてみます。


Chromeの表示が豆腐ではなくなりました。と言っても、どう見てもただのArialの「(A)」と「A」です。どうもSegoe UI Symbolを表示しない代わりに、こうしてグリフを置換する文字があるようです。

下図は、何に使うのか丸囲みのCDという記号です。ChromeではただのArialの「CD」になりました。


U+1F12D - Segoe UI Symbol

Windows 7にはSegoe UI Symbolも含めてこれらの文字を持つフォントはありません。当然ながらIEでは豆腐になりますが、Chromeでは同じようにArialに置換されました。


なぜU+2501とU+0323がこのような挙動を起こすのかはわかりません。

今度は日本の記号です。下図の文字は8.1だとSegoe UI Symbolのほか、ゴシックなどにもあります。


IEではデフォルトがSegoe UI Symbolだと思われます。U+2501を隣接させるとなぜかゴシックに変わりました。一方、Chromeはいずれの状態でもゴシックを表示しているようです。

Windows 7では上の文字はSegoe UI Symbolにしかありません。IEもChromeも豆腐になります。


ただしChromeのコメント一覧を見ると、U+2501とU+0323が隣接したコメントでやはりグリフ置換が行われていました。下図の通りただの「得」と「可」が表示されました。

Chrome 38 - Windows 7
これもコメントの表示に反映されればいいんですが。なお似たような文字だからと言って必ずしも同じことが起きるわけではありませんでした。

2014年10月24日金曜日

Windows 10TP:Segoe UI Historic

先日Windows 10TPをBuild 9860に更新してからフォントを見ていて、Segoe UI Historicという新しいフォントが入っているのに気づきました。以下BabelMapで見たところです。

CMapを調べるとSegoe UI Symbolとは1545文字の差分がありました。差分にはアラビア文字・シリア文字などが含まれていましたが、大きな違いはヒエログリフが入っていることでした。

Windows 8.1

Segoe UI Historic 0.90 - Windows 10TP

だからHistoricなのか。Symbolにヒエログリフはありません。


ちなみにSymbolもバージョンアップしており、8.1とは拡張領域の絵文字などで380文字の差分がありました。

Segoe UI Symbol 6.09 - Windows 8.1

Segoe UI Symbol 6.15 - Windows 10TP

もっとも、Windows 7のSegoe UI Symbolは5.01のままだしEmojiもHistoricも入ってません。
これらのフォントが知られるようになるのは10が普及してからでしょうか。

2014年10月15日水曜日

Windows 8.1:「●REC」

ニコニコで以前おかしなコメントを見ました。下図のように一見よくあるコメントですが、Chromeでは●が豆腐になっています。


●はよく使われるU+25CFではありませんでした。実際はFirefoxで見たので、別の部分でこれに気づきました。コメント一覧だとそれぞれのブラウザで下図のように表示されます。


●は、U+1F534(LARGE RED CIRCLE)というBMP外に定義された色指定つきの絵文字でした。Firefoxだけ指定の赤で表示されています。ただし実際のコメント表示には反映されません。


ブラウザはカラー表示に対応していても、Flash Playerは対応していないということでしょう。
Windows 8.1で、この文字を持っているフォントはSegoe UI SymbolとSegoe UI Emojiだけです。カラー表示はEmojiの方なんだと思います。

<参考>OpenTypeカラーフォント - @IT

HTMLでフォントにSegoe UI Emojiを指定して、同類の絵文字を表示させてみます。


各ブラウザで下図のようになりました。


Chromeはフォント指定しても色つかないんですね。それともなんかやり方があるのか。

一方、フォントを指定しないと下図のようになりました。


Firefoxだけはフォント指定がなくてもカラー表示になっています。冒頭のケースはこの状態なのでしょう。

Segoe UI EmojiはWindows 8.1から搭載されたフォントです。当然ながら、Windows 7ではFirefoxでも表示されません。


実際のコメントではいずれも豆腐になっています。IEとFirefoxのコメント一覧で表示されているのは、Segoe UI Symbolの方でしょう。コメント一覧だけでもカラー表示が反映されればそれはそれでおもしろそうですが、環境が限定されてしまうのでは残念ながら使えないですね。

なお、今月のWindowsとFlash Playerの月例更新後も上の挙動に変化はありませんでした。

2014年10月5日日曜日

普通の8.1ユーザーがWindows 10使ってみた。

Windows 10 Technical Previewを少し使ってみたので、その感想です。

当初7のPCに入れたところインストールに失敗したのですが、マシンそのものの問題だったかもしれません。8.1のPCには30分くらいですんなりインストールできました。日本語版はないので、英語版を入れてシステムロケールを日本語に変えて使っています。Windowsのメニューが英語である以外、大きな問題はありません。

話題はなんと言っても「スタートメニューの復活」です。ただ、これは好き好きじゃないでしょうか。Windows 7のスタートメニューとは似て非なるものだからです。


7と似ているのは左側のみで、右側にはスタート画面がない代わりにタイルを配置できるようになっています。自分はMetroアプリも多少使うので、ここでライブタイルを表示できるのはうれしい改良です。しかしMetroアプリを使わないユーザーには要らない仕様でしょう。

なお、タスクバーのプロパティからタブレットユーザー向けに8.1仕様にも変更できるようになっています(一番上のオプションをオフ)。


8.1でもClassic Shellのようなソフトを入れれば7ライクなスタートメニューを復活できます。この新しいスタートメニューが気に入らなければ、8.1仕様に戻して同様の選択もあるんじゃないかと思いました。

ちなみに新しいスタートメニューは、ドラッグして高さを変えることもできました。右にはみ出した部分はスクロールで表示できます。


これは面白いなと思ったのですが、電源オプションが一番上にあるのは妙に感じました。


さて、Metroアプリを使うユーザーにとってはMetroがデスクトップ上でウィンドウ表示できるようになったこともポイントです。下図は左がMetroのカレンダーアプリ、右がExcelです。


8.1でこれをやると、デスクトップ自体の横幅が縮んでしまうのが難点でした。そう、Metroのスナップはこう使いたかったんだという感じです。

ただしMetroがデフォルトでウィンドウモードのため、弊害もあります。下図はRSSリーダーのアプリを最大化したところです。本来タイルが2段で表示されるはずなのですが、タイトルバーの分上下の表示領域が狭くなり1段になってしまっています。


これは、左上のメニューから従来の全画面に切り替えることで対応できました。



ところが一度最小化してから再度開くと、、またウィンドウモードに戻ってしまいました。改良してほしいところです。

便利かもしれないのは新しいスナップです。下図は2つのウィンドウをWindowsキー+左右のカーソルキーでスナップしたところです。ここまでは7や8.1でもできます。


10ではスナップによる画面分割を4つにできるようになっていて、Windowsキー+上下のカーソルキーも使うと下図のような動きになりました。


大きいスクリーンであれば使いようがありそうです(図はノートPCの画面で、解像度1366×768です)。

一番いいなと思ったのは、新機能のタスクビューです。仮想デスクトップを複数追加して、それぞれで別のアプリを開いておくことができます。


どれかデスクトップを選択すると、そこで開いているアプリが画面真ん中にライブサムネイルで表示されます。


他のデスクトップで開いているアプリは、タスクバーのアイコン下の表示でわかるようになっています。


これらのアプリをクリックすると、スクリーンの表示はそのデスクトップへ移動します。また、1つのデスクトップを閉じるとそこで開いていたアプリは残っているデスクトップへ移動します。
これは是非仕事で使いたい機能です。

1つ気に入らなかったのは、ウィンドウの影の表示です。なんか靄みたいです。


これは視覚効果のオプションでオフにできました。


適用後:

余談ですが、ニコニコは当然ながら普通に見れました。コメントの表示は8.1と変わらないように見えます。Arialは文字が追加されてバージョンアップしていたものの、CJKフォント(MS Pゴシック・SimSun・Gulim・PMingLiU)はいずれも8.1と同じバージョンでした。