2012年8月11日土曜日

Chrome 21:フォントがおかしい件(つづき)

先日の日記にも追記しましたが、その後Chromeが21.0.1180.75(「安定版」)にバージョンアップしたのに伴い状況が変わりました。以下、Windows 7で見た話です。

問題があると言われたPPAPI版Flash Player(pepflashplayer)のバージョンが11.3.31.222から11.3.31.225に変わっており、漢字がSimSunらしき字形で表示される現象は直っていました。
一方、フォント変化が起きなくなる現象については変わりませんでした。


いや、それって何か困るだろうか・・・困りません。普通は。

むしろフォント変化が起きないということは、画面上のコメントがいっせいにSimSunになったりするあの現象(いわゆる連れ回し)も起きなくなるのではないかと思います。いいことですね。
ちなみに同じGoogleのAndroid OSでも、フォント変化なんて起きません。PCと違ってそもそも搭載しているフォントが限られてますけど。


ただ、PPAPIが「特定のプラットフォームに依存しない」というのはこういうことなのかなと思いました。
フォント変化という現象が具体的にどういうプロセスで起きているのかはわかりませんが、Windowsコードページに由来するWindows特有の挙動らしいことはわかっています。

さて一部のコメントでは困ることもあります。
下図はフォント変化を利用したコメントの例です。ピンクのブロック記号(U+2588)と黒の文字列とを重ね合わせた、二つのパターンを挙げています。


いずれもフォントを意図的にSimSunへ変化させることで、各文字を全角幅にしています。
これが最新のChromeでは下図のように表示されます。


こちらではブロック記号がArialと思われる縦長の字形となっています。ひらがなと空白部分の全角スペース(U+3000)も、MS Pゴシックで全角幅より狭くなっています。
コメント全体の横幅が縮んだことで見た目がまるで変わってしまいました。特にパターン2では、横幅に依拠した二重リサイズという現象が起きなくなり完全に崩れています。

Chromeはニコニコの推奨環境ではありません。しかしそのシェアを考えると、これはあまり無視できない状況かもしれません。下図はStatCounterによる日本国内の7月のブラウザシェアの統計です。


もうちょっと少ないという数字もありますが:

<参考>インフォメーション - 【OS・ブラウザー国内シェア調査】 2012年7月度発表:(サムライファクトリー )

まぁ無視できないと言っても現状では対処のしようがないんですけど。pepflashplayer.dllを無効にすれば、上の件は一応IE・Firefoxと同じ表示になります。

ついでに細かい話です。
先の日記でArial Unicode MSっぽい字形が表示されていると書きました。あらためて調べたところ、やはりそうだったようです。下図はトランプのマークを表示したところです。


IE・Firefoxでは白抜きのダイヤ(U+2662)以外はGulimです。これはフォント変化によるものです。白抜きのダイヤのみGulimには無く、フォントリンクでMS UI Gothicが表示されていると思われます。
一方ChromeはデフォルトのArialのようですが、白抜きのマークはArialに無いので代替表示のはずです。Arial Unicode MSを削除したところ下図のように変わりました。


Arial Unicode MSはOfficeに添付されるフォントなので、Officeをインストールしていない場合はこちらの表示になるかもしれません。白抜きのスペードとクラブはMSゴシックの字形に変わったように見えます。ダイヤはあまり形に差がないのでなんとも言えないですが。

U+2661が三みたいになったのはMicrosoft Sans Serifでしょう。 このフォントにはトランプマークのうちU+2661だけあり、それが代替で表示されたのだろうと思います。ハートなのに三みたいなこの字形はどうもバグのようです。おそらく数学の合同記号(U+2261)と間違えたのではないか、と個人的には考えてます。

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